エルドレッド「広島を愛し、広島に愛された男」を読んだ感想
エルドレ~ッド~エルドレ~ッド~無限のパワ~♪
開幕まであと3日、待ち遠しいわ~
冬の間は試合ないのが当たり前じゃけ何とも思わんけど、オープン戦があって開幕に向けてボルテージが上がってる時に、野球がないのは寂しいわw
そんな感じで今日はヒマじゃけ、僭越ながら前に買ったエルドレッドの「広島を愛し、広島に愛された男」の感想を認めたいと思います。
アマゾンの評価もぶち高いし、ツイッターのフォロワーさんも大絶賛の本じゃけ、あまりネタばれし過ぎん程度に紹介しますね
エルドレッド「広島を愛し、広島に愛された男」ってどんな本?
広島在籍7シーズン目は歴代最長。
名実ともに最強助っ人の呼び声高いエルドレッド選手。
そのカープへの愛、広島の地への愛着は計り知れないものがあります。
解雇されるかもしれなかった来日2年目。
そこを乗り越えての本塁打王、
そして、リーグ優勝、2連覇……。
なぜ、エルドレッド選手は日本で成功することができたのか。
広島を愛し、広島に愛された男が、これまでの野球人生を振り返りつつ、
成功法則、カープ愛、そしてこれからの夢を綴ります。
出版社の洋泉社の書籍紹介は↑のように書いてあります。
大きく6章立てになっていて、おまけとしてエルが来日した時の監督である、野村謙二郎さんからの特別寄稿が最後に収録されています。
この本には、エルの幼少期から野球選手としての成長、来日時の決意、広島で活躍するための努力などなど、が一冊に凝縮されております。
発売されて、まだそんなに日が経ってないし、まだ未読の方もたくさんおられるでしょうから、ネタバレしない程度にざっくり紹介していきますね。
序章・37年ぶりの連覇達成
2017年シーズンのカープの戦いをエル目線から語ってくれています。
自らの成績やコンディションはもちろん、黒田さんが抜けジョンソンが離脱した投手陣、誠也くんが故障した後の野手陣、クライマックスで敗退した悔しさ、そして2018年の目標を語ってくれています。
第一章 驚いた野球とベースボールの違い
来日した外国人によくありがちな、日本の野球とアメリカのベースボールの違いについて、エル自身が感じた事を率直に語ってくれています。カープファンの声援が暖かい事を一番最初に挙げてくれてる所にエルの人柄を感じます。
具体的には「練習量の多さ」「素振り」「先発ローテ間隔」「引き分け」「高校野球」「ヘッドスライディング」などなど、ただ驚いた!だけではなく「こういう意味があってやってるんだ!」と理解した経緯などを語ってくれています。
私は大リーグはさっぱりじゃけ「へ~アメリカはそうなんじゃ~」って、この本を読んで初めて知った事も多いです。練習量の多さはカープが特別なんでしょうけどねw
そして有名?なエルの持ちギャグ?「富田林出身です。出身校はPL学園です」の詳しい解説もされていますw
第二章 日本での素晴らしい仲間たち
具体的エピソードはネタバレになってしまうんで、登場人物だけ紹介しますね。
緒方監督、新井さん、石原さん、菊池くん、広輔くん、丸くん、誠也くん、ノムスケくん、マエケン、その他通訳さんやチームスタッフに対する感謝まで述べられてる所に、これまたエルの人柄を感じてしまいます。
それぞれのエピソードから、カープ選手との親しさはもちろん、エル自身もポジティブに日本と広島とカープに飛び込んで、打ち解けあってる様子がよく伝わってきます。
傍から見てる分とはイメージと全然違う人もおって、私らは試合中の様子しか知らんけ、やっぱり仕事中とプライベートは別人なんじゃな~と思いました、そりゃそうよね闘争心むき出しの試合中のテンションで普段生活できんよねw
第三章 広島でジャパニーズドリームを掴むまで
恥ずかしがり屋でのんびり屋だった幼少期に野球を始めた所から始まり、学生時代4番を打ちプロ入り後にメジャーとマイナーを行ったり来たり…そんな時に舞い込んできた日本のプロ野球チーム「広島東洋カープ」からのオファー!
意を決して日本へ行くことを決意、思ったような成績が残せない2年間を経て、とうとう三年目にブレイクして本塁打王を獲るに至ったいきさつを、前章までと比べ少しシリアスな雰囲気で語ってくれています。
最後に、奥様、4人の子供たち、そして当時の監督の野村謙二郎(なぜか作中ではケンジロウとなっているw)さんに、広島でジャパニーズドリームを掴むことが出来た感謝を述べています。
第四章 エルドレッドの流儀
野球に対する流儀を語ってくれています。
打撃フォームや練習方法などの技術的な事はもちろん、打席に入った時の心構えやチャンスの時、凡退の後など、精神的な心の持ちようを語ってくれています。
どんな時でも大振りでブンブン振り回すのがエルの持ち味だと思っていましたが、それにはちゃんと理由があって、しっかり考えた上での事なんじゃと知りました。
そしてもちろん、日本の野球で成功するためには、日本の食事にも慣れる必要があると、急に話が脱線して好物について語りだす所が、またエルの人柄を感じさせますw
この章で一番私がグッと来たのは『「なんで?」と思ってはいけない』と言う所です。
何かを指示されて「なんで?」と疑問を持っても「とにかく前向きにやってみる」事が大事だって。「そんな事やる必要あるの?」って納得しきれん様子でやったらいけんって。
外国人はよく「Why?」って納得できない事を拒否する選手が多くて、それが成功の妨げになるケースがとても多いらしい。これて野球とか日本とか関係ないよね…私も仕事でよくあるんよ…渋々やって上手い事いく訳ないよね。
第五章 ぼくの未来について語ろう
そうは言っても、エルも今年の7月で38歳。自分自身でも、現役生活の終盤に差し掛かってきている事を感じて「カープで現役を終えたい」「引退後もカープの約に立ちたい」と言う夢を語ってくれています。
そして、その夢を叶えるために、今さら日本語をマスターしようと、ひらがなとカタカナの練習を始めたという、なんとも言えんほのぼのとした章になっています。
野村謙二郎 特別寄稿「なぜ、私は”カントリー”を手放さなかったのか」
最後にノムケン監督から特別寄稿が寄せられています。
エルが2年目を終えて「来季の契約は無い」と判断された時に「彼に3年目のチャンスを与えてほしい」と引き留めたのがノムケン監督で、エルはその期待に応えて見事ホームラン王に輝いた有名なエピソードの詳細が本人から語られてます。
そしてノムケン監督がエルを引きとめた理由が、他でもない「人間性」って所が、この本の最終章を占めるに相応しい内容じゃね。
最後の最後に「唯一の心残り、謝りたいこと」って段落があって、エルが初めてノムケン監督に愚痴を言ったエピソードがあって、あの年のホームラン王の裏にもこんな話があったんじゃ~と思いましたよ。
「広島を愛し、広島に愛された男」はこんな人におすすめ!
ズバリ!カープファン全員ですw
私の知る限りでは、カープの外国人選手本人が本を出したのは初めてじゃないかな。
厳密に言うと、多分この本はエルが実際に書いたんじゃなくて、話した内容をライターさんが文章にしたんじゃろうけど(所々ルー大柴さんみたいな、不思議な英語交じりの文章が出てくるw)
それを差し引いてもカープの外国人選手が、外国人目線でカープを語るのは中々ない事じゃろうし、またカープの選手が外国人選手にどんな接し方してるのかとか知れて、私はすごく読んでよかったと思っとりますよ。
フルスイングでホームランだけでなく、内野ゴロでも全力疾走、一塁守備でもダイビングキャッチでユニフォームを泥だらけにする「カープ最強助っ人・エルドレッド」の2018年が楽しみになる一冊でした。
カープ応援ブログに参加してます。応援よろしくお願いします!